「2次方程式ってどうやって解けばいいの?」
「解の公式があるのは知ってるけど、他にも解く方法があるの?」
2次方程式には、実はいろいろな解き方があります!
問題によっては、解の公式よりも早く・ラクに解ける方法も。
この記事では、代表的な5通りの解法を、わかりやすく紹介します。
① 平方根の考え方で解く
\(x^2 =\) ◯ のような形
このパターンは、平方根の考え方で解くことができます。
次の2次方程式を解きなさい。
\(x^2=9\)
\(x^2 = 9\) は、\(x\) を2乗して「9」になる、という意味だから
\(x\) は「9」の平方根 ということです。
よって
\(x = \pm3\) (\(x=3\),\(x=−3\) ということ)
となります。
・\(x^2=\) ◯ の形になっているときには、平方根の考え方!
・必ず「\(\pm\) (プラスマイナス)」を忘れずに!
② 因数分解して解く
\(x^2+bx+c=0\) のような形で、左辺が因数分解できる
次の2次方程式を解きなさい。
\(x^2+5x+6=0\)
\(x^2 + 5x + 6 = 0\) の左辺は因数分解できるので、因数分解をして
\((x + 2)(x + 3) = 0\)
ここで、方程式が成り立つためには、\((x+2)\) か \((x+3)\) が 0 になればいいから
\(x+2=0\),\(x+3=0\)
よって
\(x=−2\),\(x=−3\)
となります。
・右辺を「0」になっていることが前提!
・左辺が因数分解できるか見抜くのがコツ!
③ 解の公式で解く
\(ax^2+bx+c=0\) のような形(\(x^2\) の係数が1ではない)
このパターンは、解の公式を使って解くことができます。
\(x=\displaystyle \frac{−b \pm \sqrt{b^2 −4ac}}{2a}\)
次の2次方程式を解きなさい。
\(3x^2+5x+1=0\)
\(3x^2+5x+1=0\) の \(x^2\) の係数が1ではなく、左辺を因数分解できないので、解の公式を使って
\(a=3\),\(b=5\),\(c=1\) より
\(x= \displaystyle \frac{−5 \pm \sqrt{5^2 −4 \times 3 \times 1}}{2 \times 3}\)
\(x= \displaystyle \frac{−5 \pm \sqrt{25 − 12}}{6}\)
\(x= \displaystyle \frac{−5 \pm \sqrt{13}}{6}\)
となります。
・解の公式を覚えてしまえば、どんな2次方程式でも解くことができる!
・√の中が \(a \sqrt{b}\) の形にできるかどうかも確認しよう!
④ 平方完成をして解く
\(x^2+bx+c=0\) のような形で、左辺が因数分解できない
このパターンは、「因数分解できないから解の公式!」と思いがちですが、平方完成をして解くことができます。
無理やり、\((x+◯)^2=△\) の形をつくること。
次の2次方程式を解きなさい。
\(x^2+6x+7=0\)
\(x^2 + 6x + 7 = 0\) の左辺は因数分解できそうでできないので、平方完成をして
\(x^2 + 6x = −7\)(\(+7\) を移項)
\(x^2 + 6x\) \(+ 9\) \(= −7\) \(+ 9\)(両辺に \(x\) の係数の半分の2乗をたす)
\((x + 3)^2 = 2\)(平方完成する)
\((x+3)\) を2乗して「2」だから、\((x+3)\) は「2」の平方根
\(x + 3 = \pm \sqrt{2}\)
\(x = −3 \pm \sqrt{2}\)
となります。
・\(x^2+bx+c=0\) の形で、左辺が因数分解できなく、\(b\) が偶数のときは平方完成!
・解の公式でもいいけど、圧倒的に平方完成の方がラク!
⑤ 共通因数でくくって解く
\(x^2+bx=0\) のような形
このパターンは、\(x\) が共通因数になっているので、\(x\) でくくって解くことができます。
次の2次方程式を解きなさい。
\(x^2-5x=0\)
\(x^2-5x=0\)
\(x(x-5)=0\)(共通因数 \(x\) でくくる)
ここで、方程式が成り立つためには、\(x\) が 0 か \((x-5)\) が 0 になればいいから
\(x=0\),\(x-5=0\)
よって
\(x=0\),\(x=5\)
となります。
【間違い例】
\(x^2-5x=0\)
両辺を \(x\) でわって
\(x-5=0\)
\(x=5\)
これは、\(x\) が「0」の場合もあり、「0」でわることは数学的に考えられないので、\(x\) でわることは間違いです!
実際、\(x=0\) も解になっています。
・\(x^2+bx=0\) の形で、\(c\) の部分がないときは、共通因数 \(x\) でくくって解く!
・両辺を \(x\) でわってはいけない!
まとめ
2次方程式の形 | 解き方 |
\(x^2=\) ◯ | 平方根の考え方 |
\(x^2+bx+c=0\) で因数分解できる | 因数分解 |
\(ax^+bx+c=0\) | 解の公式 |
\(x^2+bx+c=0\) で因数分解できない | 平方完成 |
\(x^2+bx=0\) | \(x\) でくくる |
この解き方をマスターすれば、どんな2次方程式でもラクに解くことができますよ!
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