分母の有理化とは?有理化をラクにするコツ!

3年

中学校3年生の平方根の単元では、「分母の有理化」という操作を習います。
学校では有理化のやり方だけを習うことが多いですが、ちょっとしたコツを知ると有理化がぐっとラクになるんです!

この記事では、
・そもそも分母の有理化ってなに?
・計算がラクになる有理化の方法

についてわかりやすく紹介していきます!

分母の有理化ってどういう意味?

分母に √ があると、そのままでは近似値が求めづらいこともあり「きれいな数」とは言いづらいので、分母から √ をなくす操作をします。
これを「分母の有理化」、あるいは単に「有理化」といいます。

たとえば

\(\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}} = \displaystyle \frac{1 \color{red}{\times \sqrt{2}}}{\sqrt{2} \color{red}{\times \sqrt{2}}} = \displaystyle \frac{\sqrt{2}}{2}\)

このように、分母にある √ をなくすために、分母と分子に同じ √ をかけて有理化をします

通分と似ている操作ですね。

計算がラクになる有理化の方法!

例1

問題

次の式を有理化しなさい。
\(\displaystyle \frac{12}{\sqrt{8}}\)

普通に有理化すると、次のように計算します。

\(\displaystyle \frac{12}{\sqrt{8}}\)
\(= \displaystyle \frac{12 \color{red}{\times \sqrt{8}}}{\sqrt{8} \color{red}{\times \sqrt{8}}}\)
\(= \displaystyle \frac{12\sqrt{8}}{8}\)

分子の12 と 分母の8 を約分して

\(= \displaystyle \frac{3\sqrt{8}}{2}\)

ここで、 \(\sqrt{8}\) を \(a \sqrt{b}\) の形に変形して

\(=\displaystyle \frac{3 \times 2\sqrt{2}}{2}\)

分子の2 と 分母の2 を約分して

\(=\) \(3\sqrt{2}\)

となります。

しかし、先に \(\sqrt{8}\) を \(a \sqrt{b}\) の形に変形すると、こんなふうにラクになります。

\(\displaystyle \frac{12}{\sqrt{8}}\)
\(=\displaystyle \frac{12}{2\sqrt{2}}\)

分子の12 と 分母の2 を約分して

\(=\displaystyle \frac{6}{\sqrt{2}}\)

ここで有理化をして

\(= \displaystyle \frac{6 \color{red}{\times \sqrt{2}}}{\sqrt{2} \color{red}{\times \sqrt{2}}}\)
\(= \displaystyle \frac{6\sqrt{2}}{2}\)

最後に、分子の6 と 分母の2 を約分して

\(=\) \(3\sqrt{2}\)

となります。

例2

問題

次の式を有理化しなさい。
\(\displaystyle \frac{3\sqrt{2}}{\sqrt{6}}\)

普通に有理化すると、次のように計算します。

\(\displaystyle \frac{3\sqrt{2}}{\sqrt{6}}\)
\(= \displaystyle \frac{3\sqrt{2} \color{red}{\times \sqrt{6}}}{\sqrt{6} \color{red}{\times \sqrt{6}}}\)
\(= \displaystyle \frac{3\sqrt{12}}{6}\)

分子の3 と 分母の6 を約分して

\(= \displaystyle \frac{\sqrt{12}}{2}\)

ここで、 \(\sqrt{12}\) を \(a \sqrt{b}\) の形に変形して

\(=\displaystyle \frac{2\sqrt{3}}{2}\)

分子の2 と 分母の2 を約分して

\(=\) \(\sqrt{3}\)

となります。

しかし、√ どうしの数は √ の中の数をわってもいいので、先に \(\sqrt{2}\) と \(\sqrt{6}\) を約分すると、こんなふうにラクになります。

\(\displaystyle \frac{3\sqrt{2}}{\sqrt{6}}\)
\(=\displaystyle \frac{3\sqrt{1}}{\sqrt{3}}\)

分子の \(\sqrt{1} = 1\) なので

\(=\displaystyle \frac{3}{\sqrt{3}}\)

ここで有理化をして

\(= \displaystyle \frac{3 \color{red}{\times \sqrt{3}}}{\sqrt{3} \color{red}{\times \sqrt{3}}}\)
\(= \displaystyle \frac{3\sqrt{3}}{3}\)

最後に、分子の3 と 分母の3 を約分して

\(=\) \(\sqrt{3}\)

となります。

まとめ

分母の有理化は

分母と分子に同じ √ をかけて、分母の √ をなくすことである。

● いきなり有理化するのではなく、\(a \sqrt{b}\) の形に変形できる数は、先に\(a \sqrt{b}\) の形に変形する!

● √ の数どうしで、先に約分できるときは、先に約分しておく!

このポイントがとても大切です!

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