円錐の表面積を求めるときに、側面積を求めるのに苦労はしませんでしたか?この記事では、円錐の側面積を一瞬で求める公式を紹介します!
円錐の側面積は「母線×底面の円の半径×\(\pi\)」で一瞬で求められる!

上の図のような、母線が \(\ell\) 、底面の円の半径が \(r\) である円錐の側面積は
(円錐の側面積)=(母線 \(\ell\)) × (底面の円の半径 \(r\)) × \(\pi\)
で、求めることができます。
なぜこの公式で求められるのか?
母線が \(\ell\) 、底面の円の半径が \(r\) である円錐の展開図は

上の図のようになります。
円錐の側面はおうぎ形になるので、おうぎ形の面積を求めます。

おうぎ形の面積を求めるには、おうぎ形の弧の長さがわかれば求められます。
弧の長さは底面の円の円周と一致するので、(弧の長さ)=\(\color{red}{2\pi r}\)となります。
そして、弧の長さの、おうぎ形の元の円の円周(\(2\pi \ell\))に対する割合を求めます。
\(\frac{\color{red}{2\pi r}}{2\pi \ell}=\frac{r}{\ell}\)
となり、求めたいおうぎ形の面積も、おうぎ形の元の円の面積(\(\pi \ell^2\))の \(\frac{r}{\ell}\) 倍になるので、
(おうぎ形の面積)= \( \pi \ell^2\) \(\times \) \(\frac{r}{\ell}\) = \( \ell \times{} r \times{} \pi \)
となるわけです。
実際に公式を使って計算してみよう!
下の図のような、母線が 8cm 、底面の円の半径が 3cm である円錐の側面積を計算します。

公式にあてはめると、
(円錐の側面積)= \( 8 \times {} 3 \times {} \pi \)
= \(24\pi\)(㎠)
となります。
数秒で求めることができますね。
教科書通りの求め方と比べてみよう
先ほどの円錐の側面積は、教科書通りの求め方で計算すると次のようになります。
展開図は下の図のようになり、

おうぎ形の面積を求めるために、おうぎ形の弧の長さを求めます。
弧の長さは底面の円の円周と一致するので、(弧の長さ)=\(6\pi\) となります。
そして、弧の長さの、おうぎ形の元の円の円周(\(16\pi\))に対する割合を求めます。
\(\frac{6 \pi}{16 \pi}\) = \(\frac{3}{8}\)
となり、求めたいおうぎ形の面積も、おうぎ形の元の円の面積(\(64\pi\))の\(\frac{3}{8}\)倍になるので、
(おうぎ形の面積)= \(64\pi \times\)\(\frac{3}{8}\)
=\(24\pi\)(㎠)
となります。
求め方を思い出しながら計算するとなると、数分かかるかもしれません。
まとめ
●円錐の側面積は
(円錐の側面積)=(母線 \(\ell\)) × (底面の円の半径 \(r\)) × \(\pi\)
で求めることができる。
●テストでは表面積を求める問題が多いので、そのときは底面積を側面積にたすことを忘れないように!
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