【中学生にもわかる】統計的確率と数学的確率のちがいとは?例で解説!

1年

「サイコロを振ったら、1の目が出る確率はどれくらい?」
「ガチャでレアアイテムが出る確率って本当に正しいの?」

こうした疑問は、「確率」という考え方で解決できます。

この記事では、中学校の数学で出てくる「確率」のうち、

・統計的確率
・数学的確率

という2つの確率のちがいと関係を、具体例を使ってわかりやすく説明していきます!

そもそも「確率」ってなに?

「確率」とは、あることがらの起こりやすさの程度を数で表したもの です。

たとえば、サイコロを振ったときに「1の目が出る確率」は、

出た目の数(1〜6)のうち、1が出るのは1通りなので、

\(\displaystyle \frac{1}{6}\) = 0.167 (約16.7%)

このように、「どれくらいの割合で起きるのか?」を数字で表したのが確率です。

確率には2つの考え方がある!

中学校で学ぶ確率には、2つの考え方があります。

1.統計的確率
2.数学的確率

名前が似ているので、ちょっとまぎらわしいかもしれませんが、考え方はぜんぜんちがいます。

統計的確率とは?

✅ 実際にやってみて出た割合

統計的確率は、実験や調査をして出た結果から求める確率です。

たとえば、サイコロを50回投げた結果を見てみましょう。

出た目回数
11
5
11
6
5
12

このとき、「1の目が出た確率」は、

\(\displaystyle \frac{11}{50}\) = 0.22(=22%)

これが「統計的確率」です。実際にやって出た割合なんですね。

✅ 試行回数が増えると、ある値に近づく!

同じサイコロの実験を、もっとたくさん(たとえば1000回)やるとどうなるでしょうか?

投げた結果を見てみましょう。

出た目回数
167
166
169
165
166
167

つまり、「1の目が出る確率」は、

\(\displaystyle \frac{167}{1000}\) = 0.167(=16.7%)

とわかります。

ここでお気づきかと思いますが、1の目以外の目も、出る確率は 0.167くらいになっていますね!

統計的確率は、試行回数が多くなるほど、ある値に近づいていく

という大事な性質があります。

この「近づいていく値」こそが、次に紹介する数学的確率なんです。

数学的確率とは?

一方、数学的確率は、理論的に求めた確率のことです。

先ほどのサイコロのように、1〜6の目が出ることも同じ程度に期待できる同様に確からしいという)とき、

• 「1が出る確率」も

• 「6が出る確率」も

どれもすべて、

\(\displaystyle \frac{1}{6}\) (あることがらが起こる場合)÷(全ての起こる場合)

と求められます。

これは、実際にやっていなくても、理論だけでわかる確率です。

そして、この \(\displaystyle \frac{1}{6}\) を小数で表すと、 0.167・・・ となり、先ほどの 統計的確率と一致することがわかりますね。

✅ 数学的確率の注意!

ここでちょっとした注意点があります。

たとえば、あるガチャで「レアアイテムが出る確率は5%」と書いてあったとします。

「じゃあ100回引いたら5回は必ず出るんだ!」と思いがちですか、それは間違いです。

確かに「数学的確率」では5%( \(\displaystyle \frac{1}{20}\) )と書いていますが

・100回引いたら、5回出ると“期待される”
・でも実際には4回かもしれないし、6回かもしれない
・運が悪ければ、1回も出ないこともある!

このように、数学的確率=実際の結果そのもの ではないという点に注意が必要です。

まとめ

【統計的確率】
・実際にやってみた結果から求めた確率
・実験の試行回数が多くなるほど数学的確率に近づいていく

【数学的確率】
・同様に確からしいことがらについて、理論的に求めた確率
・「何回やれば何回出る」という保証ではなく、「期待できる程度」を数字で表したものである

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